手のかかった料理が食べたくなり、
ひさしぶりにこちらへ。
表参道で四半世紀以上の歴史を誇る、
クラシックなフレンチが味わえるレストランです。
渋谷駅近くの大人気ビストロ
「コンコンブル」の姉妹店でもあります。
◆
店内のしつらいは、積み重ねられた
年月を感じさせる落ち着いた雰囲気。
そこかしこにある調度品もクラシカルで、
非日常的ないい気分に浸ることができます。
テーブルにはサービスプレート
(最初からテーブルに置いてあるお皿)や
塩胡椒もセッティング済み。
カトラリーは使い込まれたノリタケ。
なんとも正統なクラシックを感じ取れます。
かと思えば、
Facebookで季節のメニューを積極的に発信するなど、
老舗にあぐらをかくような姿勢は一切無し。
惚れる要素がありすぎるぅ……
本日のお客さまはマダム率95%以上。
私以外はすべてマダムでした。
過去を振り返ってもだいたいそうです(笑)
◆
【ランチコース 税込1,870円】
■オードブル盛り合わせ
■お魚料理 又は お肉料理:
エシャロットのクリームソース
■コーヒー
以前はほぼ同額でデザートまで付きましたが、
この内容でも十分すごいです。
◆
異国のギャルソンが颯爽と持ってきた
『オードブル盛り合わせ』。
これがとっても特徴的なんです。
透明なガラスのお皿に盛られ、
テーブルのスイッチをギャルソンが
カチッと押すと
「照明で下からライトアップされる」
という粋な演出が。内容は以下。
■ブロッコリーのタルタル
青々とした風味で、
盛り合わせの味に振り幅をつける。
■お肉のキッシュ
ほんのりあたかかく、
サクサクのパイが心地いい。
■鴨のパテ
レバーのコクとレーズンの滋味を、
コリアンダーが引き締める。
■キャロットラペ(にんじんのサラダ)
変なクドさのない清冽な味わい。
前菜間の口直しとしても優秀。
■マスタード風味のポテトサラダ
ポテトもたまごもゴロリと。
マスタードに食欲が増す。
■オリーブのマリネ
旨味が凝縮。
こちらも口直しとしてもGOOD。
とっっっても満足度の高い一皿。
ゆっくりゆっくり、
大切に味わいたくなります。
◆
さて、早くもメインの
エシャロットのクリームソース』。
「これぞフレンチ!」という
見るからに濃厚なソース。
バルサミコ酢?によるソースアートも美しい。
ソースの上にはリゾットと、
皮目をパリリッと焼き上げた魚が鎮座します。
エシャロットのクリームソースは
玄妙な甘酸っぱさに
思わず恍惚となります……
リゾットや白身魚の持ち味を
何段階も引き上げる強さを持つ。
フレンチも、やっぱり面白いなぁ。
世界の多様性の素晴らしさを
あらためて実感しますわ。
最後は、はしたないと思いつつも
バゲットでソースをぬぐうこと不可避。
大満足でごちそうさま。
◆
食後はデミタスカップにコーヒー。
薫り高く、濃密。
すばらしい余韻に浸ることができます。
シュガーポットは銅と真鍮でてきていて、
よぉく磨き込まれていてウットリ。
以前バーでアルバイトをしていたので
わかりますが、
銅とか真鍮はこまめに手入れしないと
すぐ曇ってしまうんですよね。
すみずみまで、
気持ちいい配慮がなされています。
◆
その他、
サービスもとても気持ちよく素晴らしく、
とってもいい時間がすごせました。
やっぱりよかった。
というか、以前よりもこうしたお店の
真価に気づけるようになってきたかもしれない。
クラシックだけど、
むしろ昨今の飲食シーンに一石を投じる
新しさも感じる。
「老舗こそ、あぐらをかかず、
変わり続け、進化し続けるから、
老舗として存在していられる」
みたいな話しがよくありますが、
そうした太い強さを感じましたなぁ。
いい、お店。
★4.5